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引用元: 失恋してしまった。苦しい。話を聞いてくれ。

<同窓>■1話 ■2話 ■3話■4話
<別窓>■1話 ■2話 ■3話■4話
※更新後、リンクが繋がります
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57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:15:43 ID:T6k6Z6F50
長谷さんに好意を寄せていた時は、毎日が楽しくて仕方がなかった。
しかし今は、毎日が辛く、苦しい。
一週間に一度しか会えないというが辛いのもそうだが、小鳥遊さんに思い焦がれるあまり、ムネが張り裂けそうになる。
彼女が他の男と行為をする妄想を勝手にして、勝手に怒り狂っている自分がいた。
老婆になった彼女が「あの時は楽しかった」と昔を回顧する妄想を勝手にして、勝手に涙を流している自分がいた。
彼女が欲しかった。ただただ彼女が欲しかった。
ニク欲ではない。彼女の温もりが欲しかった。
行為はいらない。布団の中で、彼女と抱き合い、温もりを感じたかった。
彼女を独占したかった。
彼女が他の男に取られてしまうのではないかと、気が気でなかった。

痩せなくてはいけないという強迫観念が頭を襲う。
今や俺は一日に千カロリーも摂取していなかった。
腹が減って辛いときも彼女の事を考えれば、なんとか頑張る事ができた。
それでもどうしても空腹に耐えられなくなった時は、好きなものをたらふく食べた後に、トイレに戻した。
痩せなくては、痩せなくては、痩せなくては……。

二月 三週目。
「あれ? 池田さん、少し痩せました?」
小鳥遊さんのその指摘を受け、俺は喜びに打ち震えた。
ダイエットの効果が早くも現れた事、それを彼女に気づいてもらった事に、俺は心の中で歓喜した。l
しかしそんな喜びの色も、すぐに打ち崩されてしまう。
「あっ、そういえば。私、大学受かりましたよ」
膝からがくんと崩れ落ちそうになる。
「すげー! おめでとうございます。俺、すっごい嬉しいっすよ」
もちろん仮初の言葉だ。本心ではかつてないほどに動揺していた。
「所で、何処の大学受けたんですか?」
俺はおそるおそる訊ねた。


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:16:26 ID:T6k6Z6F50
彼女は自分が受験し、そして合格した大学名を告げた。
虚脱感が身体を支配し、その場で崩れ落ちそうにった。
「すげー……、旧帝すか」

帰宅途中、俺は一人咽び泣いた。
旧帝の奴らに、元引きこもりフリーターの俺が勝てるわけないだろ……。
おまけに二流大学中退だしな。
諦念の気持ちが沸いてくる。
高学歴の奴らが、彼女といちゃつく妄念に、頭が狂いそうになる。
コンプレックスが俺を苛んだ。


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:17:09 ID:T6k6Z6F50
二流大学中退元引きこもり現フリーター地味ネガティブコミュ障無資格精神病貧乏屑人間駄目人間自宅強制送還。
一流大学在学イケメン運動神経抜群医学部法学部高偏差値金持ち外車帰国子女政治家天才ノーベル賞芥川賞ジャニーズ官僚。
二流大学中退元引きこもり現フリーター地味ネガティブコミュ障無資格精神病貧乏屑人間駄目人間自宅強制送還。
一流大学在学イケメン運動神経抜群医学部法学部高偏差値金持ち外車帰国子女政治家天才ノーベル賞芥川賞ジャニーズ官僚。
二流大学中退元引きこもり現フリーター地味ネガティブコミュ障無資格精神病貧乏屑人間駄目人間自宅強制送還。
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二流大学中退元引きこもり現フリーター地味ネガティブコミュ障無資格精神病貧乏屑人間駄目人間自宅強制送還。
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二流大学中退元引きこもり現フリーター地味ネガティブコミュ障無資格精神病貧乏屑人間駄目人間自宅強制送還。
一流大学在学イケメン運動神経抜群医学部法学部高偏差値金持ち外車帰国子女政治家天才ノーベル賞芥川賞ジャニーズ官僚。

それらの言葉が俺の頭の中でぐるぐると回る。
道を走る車に飛び込みたい衝動が沸くが、彼女の笑顔を思い出し何とか抑制した。
まだ、まだ可能性はあるさ。

コンビニ強盗が彼女を襲うが、俺が命を張って強盗を撃退。
彼女は命がけで自分を守ってくれた池田辰雄にラブ。
ははっ。ありうる。なんだ、まだ可能性はあるじゃないか。
俺は一人寒空の下で高笑いをあげるのだった

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:16:56 ID:1MqHMTUD0
つまんね。悲劇のヒーロー気取りかよ寒。

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:18:05 ID:T6k6Z6F50
>>59
悲劇のヒロインか。
そうなのかもな。

ここまでが第三章です。
もうすぐ終わります。

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:19:06 ID:T6k6Z6F50

《第四章 妄執の果てに》

「大学が始まったらバイトやめるんですか?」
こんな簡単な質問すらも、恐ろしくて出来ないでいた。
既に四月になっていた。
小鳥遊さんの合格報告を聞いてからというもの、俺は彼女と距離を取る様に努めていた。
実らない片思いほど辛いものはない。
少しでも早く冷ましてしまうのが吉だろう。

しかし、そんな思いも、実際に彼女を目の前にすると霧散してしまう。
彼女は眩しすぎた。元ヒッキーの根暗やろうには、あまりにも眩しすぎた。
俺は相変わらず、しょうもないくらいに、彼女の事を想っていた。

体重は小鳥遊さんの出会ってから七キロも減っていた。
これ以上の体重を落とすのは現実的ではなかった。
栄養不足なの生なのか、心が痛めつけられているからなのか、歩くだけでも億劫だ。

脆く儚い精神状態の俺。
彼女の発した何気ない一言が、それに追い討ちをかけた。


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:20:27 ID:T6k6Z6F50
「池田さん。体調悪いんですか?目が空ろですよー」
彼女が俺の眼前で手刀を振りながら訊ねてきた。
憎たらしいほどに可愛らしいその仕草も、今はムネを締め付けるだけだ。
「しっかりしてください。私、今月いっぱいでいなくなっちゃうんですから」
心臓が爆発しそうになった。
「えっ?いなくなっちゃうんですか?」
「はい。大学が始まるんで、もう辞めちゃうんですよね」
「へー、そうなんですか。大変っすね」
なんと返事をしていいのか分からなかった。

だから何も感じていないかのように、平静を装った。
『貴方がやめたと所で僕はどうも思いませんよ』と主張するかのような態度を取ってしまう。
小学生の男子が好きな娘にいじわるをする心理と同じなのかもしれない。


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:21:13 ID:T6k6Z6F50
「てことなんで。よろしくお願いします」
そこで会話は途切れた。
一瞬、彼女が寂しそうな表情を見せたのは気のせいだろうか。
気のせいだろう。どうせまた俺の勘違いなんだ。
その日、俺は何事もなかったかのように、彼女に別れの挨拶をして、帰宅した。
心に重りつけられたように、ムネのあたりに得体の知れぬ重圧感を感じる。

彼女と一緒のシフトは後二回。
その事実が、どうしようもないくらいに、痛烈に心を痛めつける。

帰宅してすぐに、インターネット掲示板に今の心境を書き綴った。
今の苦しい気持ちを書きなぐり、吐露することで、僅かながら心が楽になる気がしたのだ。
恋愛とは全く関係のないスレッドに、一方的な書き込みをし続ける。
住民たちもいい迷惑だろう。しかしこの時の俺に、他人の気持ちを慮る余裕はなかったのだ。
俺の心はそれほどまでに傷心していた。


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:21:59 ID:T6k6Z6F50
ここから第五章。
ラストです。

誰か見てたらレスしてくれ・・・
寂しい

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:23:24 ID:yD7XB3XA0
なんだよ見てるよ辰雄

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:23:03 ID:T6k6Z6F50
《第五章 当たり前の結末》

俺は深夜の公園で煙草を吸っていた。
辺りに人の姿はなく、物思いに耽るには絶好の場所だ。

俺はどうしたらいい……?
後二回で、一体何をすればいい?
告白?
愛の告白をすればいいのか?
出来るわけがない。出来るわけがない。
小鳥遊さんに思いを打ち明ける自分を想像すると、例えようのないくらいの違和感に包まれて、身震いをしてしまう。

彼女と自分が仲良くじゃれ合う姿を想像してみるが、どうも現実離れしていて、うまく思い描くことができない。
他の男と彼女が愛し合う姿なら、いくらでも想像できるのに。想像したくなくたってしてしまうのに……。
自分と彼女が結ばれる未来は、どうしても夢想できなかった。

やはり俺には恋愛は似合わない。
今回も、今までそうしてきたように、諦めるしかないのだろうか。

世の男たちと、自分が同じ生き物だとは思えなかった。
彼らは平然と女性に対しがっついてく。
自らがどう思われているかを考えていないのだろうか。

俺には到底無理だ。
自分から行動して女性を虜にするなんて、ありえない、信じられない、魔法のような夢物語。




68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:23:50 ID:T6k6Z6F50
俺は恐れていた。
自ら積極的に行動して、異性から疎まれることを恐れていた。
だって、そうだろ。
俺みたいな奴がアプローチした所で、きもっ、て思われて終わるのが関の山さ。

俺は恐れていた。
自分のような落ちこぼれが、女性に興味を持つ事を恐れていた。
自分が告白している所を想像するだけで、あまりの気持ち悪さに怖気づいてしまう。
自分が自分でなくなってしまうような不可思議な感覚が身を包むのだ。

俺は一生"愛の告白"なんてものとは無縁なのだろう。
それは薄々気がついていた。
例えば明日世界が崩壊し、生き残ったのは俺と小鳥遊さんだけだとする。
そんな境遇に置かされても尚、俺は彼女に気持ちを伝えられないだろう。

俺の心には重い重い蓋がしてあるのだ。
その蓋は、感情の発散を決して許してくれない。
俺がどんなに彼女の事を愛そうと、その蓋はびくともしない。
伝えたい事があろうとも、それをキュウ中から外へ出すことを決して許すない。
重い、あまりにも重いその蓋は、俺が生きてきた環境の中で、少しずつ培われてきたものなのだろう。


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:24:07 ID:wqXnhVkR0
小鳥遊「旧帝ボーイとの行為気持ちいいれすwww」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:25:21 ID:T6k6Z6F50
>>69
本気で辛いからやめてくれ・・・。
頭がおかしくなりそうになる。

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:24:39 ID:T6k6Z6F50
第一、告白した所で、意味なんてないじゃないか。
人間はいつかどうせ死ぬ。
例え俺と彼女が結ばれようが、数十年も立てば消え失せてしまう、儚き絆なのだ。
どうせ死ぬんだ。
だから恋愛の一つや二つで思い悩む事なんてないじゃないか。
そう何もかもが無常なんだ。
今まで生きてきた時間、そしてこれから生きていくであろう長い時間。
その中でどんなに頑張ろうと、結局は死んでしまうのだから、馬鹿馬鹿しい。
意味なんてない。
物事の全てに意味なんてない。
みんないつか死ぬんだ。俺も彼女も最後は醜く朽ちて行く定めなののだ。

……。
ニヒリズム。
ニヒリズムに浸ってしまう時、それがどんた時なのか俺は知っている。
現実に絶望して、希望のなくなった人間は、最後にはニヒリストになるしかないのだ。
虚無的な思想で生きていけば、全ての駄目な事に対するいい訳もつく。
後がない人間にとって、使い勝手の良い魔法の思考だ。
どうせいつか死ぬのだからどうでもいい。
そう自分に言い聞かせて、またそれが事実であると分かっているのにも関わらず、俺のムネは薄らぼんやりした不安と、そして彼女への想いが支配していた。。
どんな風に言い聞かせたところで、結局は自分を偽れないのだ。
だからこそ、虚しい……。


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:26:28 ID:T6k6Z6F50
ある日突然美少女が現れて、俺を孤独の底から救い出してくれると信じていた。
そんな未来が来ることを妄信していた。
でも、最近、薄々気がついてきたんだ。
そんな未来はありえないって事を。
受身受身、では俺は一生思い人と結ばれることはないだろう。
ある日突然美少女が?
そんな事あるわけない。
都合よく俺の前に現れてくれる美少女なんているわけがない。

今の俺にとっての美少女は小鳥遊さんじゃないのか?
なら俺は、彼女を手に入れるために、自ら動いていくしかないのでは?
このままでは一生会えなくなってしまう。
なんとかしなくては、なんとかしなくては。
だが俺のような奴が何をすればいいのか検討もつかない。
小鳥遊さんはこれから有名大学へ進学する、明るい未来が待ち受けている身だぞ。
悲観悲観の人生を惰性で過ごしているだけの俺が、そんな彼女にどうアプローチすればいいんだ……。

俺はひたすら途方に暮れた。

結局、次の木曜日、俺は何も行動できないまま無駄に過ごしてしまった。
彼女の笑顔を直視するのが辛かった。
心が一層、傷ついた。


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:27:25 ID:T6k6Z6F50
時間は残酷な程早く過ぎ去っていく。
とうとう最後の木曜日がやってきた。
あぁ、何もできていないのに、仕事の時間はもうすぐ終わってしまう。
あぁ、どうすればいい。
俺は内心パニックになっていた。
激しい焦燥感がムネを焼き付ける。


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:28:14 ID:T6k6Z6F50
勤務時間が終わり、俺たちはバックルームにいた。
間もなく終わってしまう。後、十分もしたら、俺は彼女と一生合う事ができなくなってしまう。
「池田さん。今までありがとうございました」
そんな悲しい事を言うなよ。もっと一緒にいてくれよ。
「何だかんだで池田さんとのシフトは楽しかったです」
なら辞めないでくれよ。大学なんて行かなくていいから。
「うん。こちらこそ、丁寧に色々教えてくれたから助かりました」
他にいう事はないのか。せめて携帯のアドレスくらいは聞いとくべきじゃないのか!?
「私がいなくなった後も、頑張ってくださいね」
いなくならないでくれよ。頼む。
「はい。今まで本当にありがとうございました」
そうじゃない。他に伝えるべき事があるだろう。
「じゃ、さようなら。お先に失礼しますね」
彼女は軽く手をふると、扉を開こうと手をかけた。





75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:28:55 ID:XjRQRhApO
頑張れ

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/07(木) 22:30:21 ID:T6k6Z6F50
まずいこのままでは、まずい。
まずい。
まずい。
まずい。
何か気の聞いた事を言わなくては。
せめてアドレスくらいは教えてもらわないと、俺と彼女はもう一生、一生、それこそ本当に一生会えなくなってしまう。
何を。何を言えばいい。

俺は必死に考える。
そして彼女の姿が消えようという時、何とか口を開く。

「さようなら。帰りは気をつけてくださいね」
小鳥遊さんはとこちらを振り向いてにっこりと微笑む。そして軽く会釈をして、扉の向こうへと消えていった。
それが俺のみた、彼女の最後の表情だった。
もう二度と彼女と巡りあう事はないだろう。

俺の生活から彼女の存在が消えた。
残ったのは、喪失感や孤独感。
そして、先の見えない未来に対する、どす黒い不安のみだった。



《END》



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